雑誌の電子書籍化

雑誌を自炊して電子書籍にする手順を紹介します。ただし、iPhoneのようなスマートフォンでは雑誌を表示させるには向いていません。

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雑誌の電子書籍化

最終更新日 2012-07-08 05:55

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本を電子書籍化する場合、書籍は以下の4つに分けることができます。
「雑誌」「マンガ」「表・イラスト入りの書籍」「文字のみの書籍」
後に行くほど電子書籍に向いている媒体で、雑誌は正直あまり電子書籍化にはむいていません。今回は、なぜ雑誌が電子書籍に向いていないか。また自炊する場合はどういう手順を踏むのか。を紹介したいと思います。

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雑誌が自炊・電子書籍に向いていないわけ

ページが大きい

雑誌とiPhoneの比較雑誌はほとんど大きさがA4サイズ(210 × 297 ミリ)そのためiPhoneのような小さなディスプレイのスマホには向いていません。
並べて比べてみるとわかりますが、これだけの違いがあります。

iPhoneで表示させたところスマホで自炊した雑誌を読む場合、拡大しないと文字が読めません。
常に画面を指でスクロールしなければならず、非常にストレスが貯まります。
紙の本のままの雑誌なら片手で寝転がって見ることができるので、あえて手間ひまかけて自炊する必要があるか考えると、スマホで雑誌を読むのはほとんど無理だと思います。
私もiPhoneを初めて購入した時、無料で産経新聞がよめる産経新聞アプリを入れましたが、数回読んだのみで今は立ち上げることすらなくなりました。

どれくらいのディスプレイだったらいい?

iPhoneで5.1センチこの画像はiPhoneで文字が何とか読めるまで拡大した時の、ページ中の表の大きさを測った時のものです。
5.1センチあります。

実際は8センチ実際の雑誌上だと同じ部分を測ると8センチありました。

20.6センチ雑誌の1ページあたりの横の幅は、約20.6センチ。

iPhoneだと12.9センチ以上のことから計算すると、iPhoneクラスの高解像度のディスプレイで文字が何とか読める程度拡大した場合、A4クラスの雑誌をディスプレイに収めるには幅が12.9センチ以上あることが望ましいとわかりました

iPhoneではちょっと無理ですが、iPadはディスプレイの大きさが197 x 148mmなのでiPadを持っているのであれば、雑誌1ページをスクロールせずに表示させても文字を読むことができそうです。
ただ、さすがに見開きはむりですね。
iPadを持っていて1ページ1ページしか表示できないので構わないのであれば、雑誌の電子書籍化は手間の採算が取れそうです。
ただし初代iPadやiPad2は、ディスプレイが高解像度ではないので文字がガタガタで読みにくいかもしれません。

パソコンなら?

23インチのモニターに表示させたところ画像は23インチの液晶モニターに表示させたところです。
パソコンのモニタークラスの大きな画面になれば、見開きで表示させて文字を読むことができそうです。
ただ、パソコンのモニターはスマホのように超高解像度(1インチあたりのドットの細かさ)ではないので、文字を読むには拡大させないといけないことが多いので、大画面とはいえスクロールは必須かもしれません。
そう考えると、雑誌を電子書籍化しても今のところは超高解像度の新型のiPadか、MacBook Proぐらいしか快適に読めないかもしれません。

ページの構成が複雑

96ページ雑誌が電子書籍に向いていない2つ目の理由。
雑誌の場合はページの構成が非常に複雑で、イラストや表もふんだんに使われており、またページタイトルの背景に配色で白抜き文字など、スキャンした画像から文字を認識するのはほぼ不可能です。
スマホやタブレット等で本を読みやすくするには、ページ上の文章をOCRソフトで認識し、EPUBという電子書籍用のファイル形式でテキストファイルとして保存するのが最も読みやすくなります。
が、雑誌のような複雑な構成かつイラストや写真入りのページは、文字を認識するのはほぼ不可能です。

EPUB形式で作成された電子書籍は、PDFと違い文字を大きくしたり、フォントの種類を変更したり、背景の色を変えたり、文章を縦書き表示にしたりと文字がテキストデータなので、自由自在に変更できます。

たいていのスキャナには、OCRというスキャンした画像から文字を認識するソフトがついていますが、雑誌のようなページでは誤認識が非常に多くほぼ使い物になりませんでした。
なので、雑誌を画像としてPDFで保存すれば利便性や電子書籍特有の便利な機能が損なわれますが、画像としての文字を読む程度で十分であれば、雑誌を電子書籍化する意義はあるかもしれません。

雑誌を自炊する

さて、雑誌が電子書籍に向いていない理由を色々検証していましたが、私が雑誌を自炊する理由は唯一つ!
部屋の床や本棚に散らばった雑誌を捨てたい!
ということ。
電子書籍というとスマホなどがあれば、いつでもどこでも読めるという手軽さにスポットライトがあたって、なんだかすごく未来的で魅力的に思えるかもしれませんが、今の検証結果からわかるように小さなスマホの画面で文章を読むのは苦痛の何者でもありません。
パソコンのような大きな画面でも、まだ紙の状態で読んだほうが数十倍楽です。
とはいえ、日々増えまくる雑誌を捨てるに捨てられない私の性格では、部屋を片付けるには自炊して電子書籍化しておくのが一番です。というわけで、今度は雑誌を自炊する方法を紹介します。

裁断

ホットキスは外しておく雑誌の場合はホッチキスを使っているものが多いので、ホッチキスの針はあらかじめ外しておきます。
ホッチキスを外さずに裁断機にかけると、刃がかけてしまう可能性があるので必ず外しておきます。
ホッチキスの刃は、専用の工具を使うのが最も簡単です。
参照:ホッチキスの針をリムーバーで簡単に外す


雑誌のようなページ数があまりない書籍は、ローラーカッターで一気に裁断するのが一番楽です。
参照:ローラーカッターを使った書籍の断裁と自炊
ローラーカッターは数百円で売っていますし、カッターマットとあわせても2000円程度で裁断一式を揃えられるので、手軽です。

雑誌を分割するただし、厚い雑誌の場合はこのように分割しておきます。

ローラーカッターで裁断したほうが楽ローラーカッターで、4~5回スライドさせると綺麗にバッサリ裁断することができます。

スキャンする

受け皿を広げる裁断できたらさっそくスキャンします。
雑誌のように大きな用紙をスキャンするときは、受け皿からはみ出て散らばることがあるので、このように受け皿を伸ばしておきます。

なんとかギリギリ自炊用に売られているドキュメントスキャナは、ほとんどA4サイズも対応しているので、大抵このようにスキャンすることができます。

解像度の設定私はScanSnap S1500というドキュメントスキャナを使用しているのですが、カラー雑誌は「スーパーファイン」の「カラー」で圧縮率4で保存しています。
また「継続読み取りをする」にチェックを入れておくと、スキャンしたページを全て1つにすることができます。

ファイルサイズスーパーファインでスキャンすると、1ページあたりのスキャン速度は3秒かかるかかからないかレベル。100ページほどの雑誌であれば、5分程度で終了してしまいます。
最高解像度のエクセレントにすると、3倍以上かかるので注意が必要。
気になるファイルサイズですが、96ページのカラー雑誌を300dpi、カラーでスキャンし圧縮率4で保存した場合、78MB程度になりました。

拡大したところ300dpiだとこんな感じ。
拡大して表示させなければ、非常に綺麗です。

300dpiが、拡大しすぎるとノイズや粗が目立ちます。

まとめ

電子書籍のメリットは、スマホやタブレット、パソコンがあればどこでも本を読める点ですが、読みやすさの観点から言うと紙のままのほうがずっと扱いやすく読みやすいです。
スキャンした画像をテキストとして取り出すことが出来れば、スマホなどでも見やすい形式に保存することができますが、雑誌のようなカラーで複雑な構成のページは文字を認識させるのは不可能でしょう。

それでも日々増えてくる雑誌を整理するという意味では、雑誌の自炊は充分価値があるかもしれません。

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