裁断機とドキュメントスキャナがあればすべての書籍を自炊できるかというと、自炊や電子書籍化に向いている書籍と向いていない書籍があるので注意が必要です。
最終更新日:2012-06-28 02:28
裁断機もドキュメントスキャナも揃えた。あとは裁断してスキャンするだけ!
なんて思っていると、以外なところに落とし穴が。
今回は電子書籍化(自炊)に向いている書籍と向いていない書籍を紹介したいと思います。
自炊とは
自炊とは、自ら紙の書籍を断裁し、スキャナーで電子データ化しiPhoneのようなスマホやタブレット、そしてパソコンなどで読めるように電子書籍化することです。
一昔前は、CDをパソコンに取り込んでMP3などのファイル形式にして、パソコンやiPhoneなどで聞けるようにしていましたが、今ではパソコンやiPhoneで再生できる形式のファイルがダウンロードできるので、新たにCDを買って取り込むようなことはしなくなりました。
本のような紙媒体のコンテンツも、いずれは電子化した状態で販売されるのかもしれませんが、既得権益の関係かなかなか進んでいないようです。
そこで、当サイトでは紙媒体をなるべく高画質に、なるべくスマホなどで読みやすいような自炊方法を紹介していきたいと思っています。
自炊で電子書籍化する紙の本は、大きく分けると以下の5つになります。(主にiPhoneかスマホで閲覧する場合)
種類 | 特徴 | 向き/不向き |
小説などの文字だけの書籍 |
|
★★★★★ |
表・画像がある書籍 |
|
★★★☆☆ |
マンガ |
|
★★★★☆ |
雑誌 |
|
★☆☆☆☆ |
ハードカバーの小説など |
|
★★★★☆ |
自炊の場合、多くが文字データも画像として取り込むのに対して、文字だけの書籍の場合はスマホのアプリ用にデータを保存することができます。
文字だけの書籍ですが、一般的には文字も画像として取り込む(PDFとか)ので、iPhoneみたいな小さな画面の端末で表示させると、場合によっては文字が小さくて読みにくいです。
ピッチインなどで拡大できますが、改行の位置は拡大してもそのままなので、常にスクロールしながら読まなくてはなりません。
また拡大して読む場合、いちいち上下左右にスライドさせないと読みにくいので、電子書籍化する意味があまりありません。紙の本のまま読んだほうがずっと楽です。
なおかつ拡大させると、画面の下にくるとそこで自動的に改行してくれるので、ページをめくるだけで読むことができます。
ところが液晶のような自ら光を発行するような画面で文字を長時間読んでいると、目が疲れてきます。
そのような場合は、このように背景を黒くして、文字を白抜きにすることも可能です。
これだと布団の中で読みたい場合も、目がつかれません。
ただデメリットとして、iPhoneやスマホのアプリ用にテキストデータ化するには、スキャナーで取り込んだ画像に含まれる文字を解析し(OCR)、スマホのアプリで読み込めるファイル形式にする必要があります。
スキャナーで読み込んだ画像に含まれる文字を「文字」として認識させるには、OCRソフトが必要です。
たいていはスキャナーに付属しているソフトで、画像からテキストデータを取得してくれるのですが、認識(解読?)率が100%というわけではないので、アプリ用にデータを加工するには、多少修正する必要があります。
また、スマホアプリ用にデータを加工するには、別のソフトを使ってスマホ用のファイルを作成してやらなければなりません。
そうした手間を考えると、めんどくさがり屋の人には自炊自体が向いていないかもしれません。
ただし、文字が小さいままでいい。というのであれば、画像として保存し、PDF化すればスマホで見ることができます。
また、当サイトでは上の画像で紹介したように、iPhoneのアプリで読みやすい形式にする方法を細かく紹介していきますので、難しそう・・・。なんて人も参考にしていただきたいと思います。
iPadクラスの画面になれば、見開きで表示させても十分な大きさですが、iPhoneのような3.5インチクラスだと見にくいです。
逆にタブレットのようなある程度大きさがある端末には向いていると思います。
文字だけの書籍の時と同じように、OCRで文字データを取得してもいいのですが、この写真に写っている書籍のようにページのタイトルが本文とまったく違う構成(文字の大きさが違ったり背景が灰色)だったり、本文自体も2段構成になっていたり、非常にめんどくさいです。
そのため、マンガと同じように画像としてPDFで保存したほうがいいかもしれません。
画像として取り込んだ場合の弱点は、文字が含まれていると字が小さくて小さな画面だと見にくいこと。
それとファイルサイズが数十倍ぐらい大きくなってしまう点。
ただし、■色で囲んだところのように手書き文字を誤認識してしまったり、表が崩れたりしてしまいます。
それでも本文の方は文字データなので非常にくっきりしています。
文字が含まれますが、画像として取り込みPDF化します。
写真はコンビニ用のコミックですが、安価に販売されているのでヤフオクで全巻揃える場合などに向いています。
また、先ほどのコンビニ用のコミックはわら半紙のような材質の紙を使用しているので、紙自体の色がベージュなんです。
紙の大きさも小さいので、スキャナで取り込む時間も短縮されるというメリットがあります。
ページの構成もバラバラだし、画像やら表などが盛り込まれているのでテキストデータとして取り込むことができません。(できないことはないけれど崩れる可能性が大)
またカラーページが多いので画像として取り込む場合は、ファイルサイズが必然的に大きくなります。
パソコンのような低解像度のディスプレイの場合、ページを拡大させないと読めないことも。
雑誌に向いている端末は、超高解像度でディスプレイ自体が大きいiPadになります。
とはいってもiPadの9.7インチでは見開きのページはきついので、紙のまま読むのが一番楽です。
雑誌の場合はすぐに古くなってしまうような内容が多いので、あえて電子書籍化して保存しておくメリットがあるかどうか。を考える必要があると思います。
ハードカバーの本は文字だけの本と同じで、電子書籍化に向いていることは向いているのですが何が問題かというと・・・
それにもったいない感があって断裁しにくいってのもあります。
以上を踏まえると、マンガや画像がない本などは自炊向きな本です。
マンガは道具さえ揃えれば、初心者にも自炊できるのであまりスマホに詳しくない人は漫画から始めてみるのがいいでしょう。
私はほとんど漫画は読まないんですけれど、自炊に興味を持ちだしてから文庫本サイズの昔夢中になったマンガを大人買いしています。
一度読んだらもう読まないような部屋のじゃまになる存在だったら、昔熱中したとはいえ購入までには至らないと思いますが、スマホに全巻保存できていつでも読めると思うと揃えたくなっちゃいますね。
それと私は理系なので、雑誌やマニュアル本などがメインで小説のような文字だけの本とは無縁だったのですが、自炊してアプリで表示してやると読みやすい!
今は文庫本も集めるようになりました。
当サイトでは文字だけの本、画像/表混じりの本、マンガ、雑誌、ハードカバーのそれぞれをベストな状態で自炊する方法を紹介していきたいと思います。が、裁断しドキュメントスキャナで取り込んだりしているうちにいろいろな問題やら発見がありました。
各紙媒体に合わせた取り込み方法だけでなく、スマホ側のアプリの紹介や設定方法なども色々紹介していきたいと思うので、参考にしてください。
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