ローラーカッターを使った書籍の断裁と自炊

安く簡単に書籍を裁断するには、ローラーカッター(ロータリーカッターとも言う)を使います。軽いし場所も取らず、綺麗に切断することができます。

最終更新日:2022-02-10 22:10

本の断裁や自炊には、大きくて重い断裁機が必要だと思っていました。が、実際には図工の時間に使うような、どこにでも売っている工具があれば綺麗に、そして簡単に断裁できると知って、実際に購入して試してみました。

ロータリーカッターで本を断裁

最近、カール事務器 ディスクカッター DC-220N式の裁断機を購入したのですが、ロータリーカッターでも綺麗に本を裁断できると知って、さっそく購入しました。
それがこのオルファのロータリーカッター LL型。
アマゾンで1000円ほどで売っていました。
大きさは色いろあるのですが、LL型が使いやすそう。
替刃も安く、1枚350円。
でも、こんなもので綺麗に切れるのかな・・・

どこで売っている?

刃のサイズはいくつかあるのですが、大きいほど分厚い本をカットすることが出来ます。ただ、一番大きいLL型は、近所のホームセンターや文房具店でも扱っておらず、アマゾンのようなネットで購入する必要があるようです。

定規

他に必要なものとして、滑り止めがついたアルミの定規、シンワ アル助ゴム付 300mm
30センチほどあれば文庫本だけでなく、雑誌も裁断することができます。
裁断は、定規がずれると失敗してしまうので滑り止めが付いているものがベター。
お値段323円。安っ!

さらに怪我防止用として、段差が付いているため誤ってローラーカッターが定規を乗り越えても、ここでストップしてくれます。

マットは意外と大事

それと、私はデザイナーだったので20年以上も前から知っていたのですが、ウチダ カッティングマットも必須。

カッティングマットはもっと安価な製品もありますが、安価なタイプは単なる硬いゴムですぐに表面がぼろぼろになってしまいます。が、ウチダのカッティングマットは表面が特殊加工してあって、すでに20年以上使っていますが全然ぼろぼろにないんです。
おねだんはちょっと高め30センチx21センチタイプで1,300円ぐらい。

3つをあわせても、2,623円。3,000円以下で断裁セットが揃えちゃいます。
他に普通のカッターもあると本や雑誌をバラすのに便利。
また、雑誌などはホッチキスの針が簡単に外せるリムーバーがあるといいかも。

ローラーカッターとは

ローラーカッターとは、ロータリーカッターとも呼ばれ刃が円形になって、丸ノコのように回転しながら紙などを切断する工具。
昔デザイン業界で働いていましたが、こんな工具使ったことないなぁ。あるのは知っていたけれど。
こんなもんでほんとに切れるのかな。まぁ、安いしダメ元で購入。
写真はロックされた状態。この状態だと、刃がカバーで覆われ、誤って肌に触れたりモノに触れても傷つけることはありません。

真ん中の黒い部分を親指で下にスライドさせると・・・
このようにカバーがずれ、刃がむき出しになります。

裏から見るとこんな感じ。この状態はカバーで覆われている状態。

カバーをずらすと、このように刃がむき出しになります。

使い方

使い方は普通のカッターとほぼ同じ。カッターマットの上に裁断したい本を載せ、ほんののりしろの部分(端)から5~10ミリの部分に定規をまっすぐ乗せてやり、ローラーカッターを何度も往復させるだけ。
薄い雑誌なら一回で切断することができます。

このとき定規がずれると修正が効かない失敗になったり、けがをする可能性があるので滑り止めの定規がベター。
切れ味がすごくいいので、プラスチックの定規だと定規を切断したり削っちゃったりするので、必ずアルミや金属でできたものを使ってください。
製図用の薄い金属の定規は、手で押さえる位置がローラーカッターの刃に近くなるのと、定規を乗り越えたときに怪我をする可能性があるので、必ずこういう専用の定規を使ってください。

はじめはあまり力を入れずに、軽くカッターのレールを敷いてやる感覚で定規にそって往復させます。

数回ローラーカッターを往復させただけでも、このようにざっくり切れていました。

そのまま粘り強く往復させていると・・・・
綺麗に切断することができました。
裁断機と違って細かい紙くずが出てしまうことも。
でも、切断時間はかかるもの用意としまう手間を考えると、1~2冊裁断する程度なら、こっちを使っちゃうぐらいよく切れます。

ほとんど高価な裁断機と変わらない切れ味。
ただ、最初は刃がむき出しなのでおっかなびっくり。(笑)汗ビッショリになってしまいました。でも、慣れてきたら鼻歌歌いながらできちゃう。

切断面。
このように高価な裁断機に引けをとらない切れ味です。

注意点

手袋とすべり止め

ちょっと大げさかもしれませんが、私はこのローラーカッターを使うときは必ずゴム付きの軍手を使うようにしています。
ローラーカッターは非常によく切れるし、刃の大きさも普通のカッターより大きいので、怪我をした場合、洒落にならないレベルの怪我に発展する可能性があります。
そんなリスクを小ぐらいなら、軍手をはめる手間など全然。
それと、カッターマットの下にもすべり止めを敷いています。

厚さに注意

ローラーカッターの中心部は軸をカバーしているプラスチックの飛び出した部分があるので、刃の外側からこの出っ張りの距離より厚い雑誌は、刃が貫通しないため全部のページを切ることができません。

たいていの雑誌は、この刃の外側から中心の飛び出たプラスチックまでの距離より薄いのですが、実際には定規を当てて裁断するので定規と合わせた厚さで考えないといけません。

このように定規を重ねると、厚くなりすぎて刃が貫通しません。

そんな場合は、普通のカッターを使用して雑誌を分割します。
この分割は定規は必要ありません。のりづけ部分にカッター(普通のカッターを使用します)を押し当てて、簡単にまっすぐに分割することができます。

文庫本などは3分割ほどすれば、ローラーカッターで簡単に裁断できるようになります。

均等に切る

雑誌や文庫本のような文字替わりと主体な媒体であれば、それほど気にならないんですけれど、マンガのような場合、裁断したときに白枠の部分が均一になっていないとスマホなどで読むときに微妙に気になることがあります。
高価な裁断機は、一度漫画本の大きさにセットして裁断していくので、1冊を分割しても均一の大きさに切れるんですけれど、ローラーカッターの場合分割したページすべてを均一にするのが難しいです。
そのため、マンガを主に自炊したい。という人は、カール事務器 ディスクカッター DC-220Nのような製品のほうが均一に切ることができます。

時間が掛かる

大型の裁断機(刃を振り下ろすタイプ)は、1度で。
ディスクカッター式の裁断機も、刃を2往復すれば切ることができますが、ローラーカッターは完全に切断するのに、何度も何度も往復させなければなりません。
簡単に用意できるメリットはありますが、切断する時間は多少かかるので多くの本をまとめて裁断したい。なんて使い方にはあまり向いていません。(疲れるし)

それでも手軽に、そして作業するときも片付けたあともほとんどスペースを必要としないのはかなり魅力的。
写真のようにある程度切り込みが入れば、定規がなくてもまっすぐに切ることができます。

まとめ

今回ローラーカッターを購入した1ヶ月ほど前に、カール事務器 ディスクカッター DC-220Nを購入していてその切れ味と軽さに驚いていましたが、ネタのつもりで購入したオルファ ロータリーカッター LL型でしたが、あまりに簡単にそして綺麗に裁断できるのにびっくり。
でも、はじめはおっかなびっくり作業をしたので、1冊切っただけで汗ビッショリ、腕も疲労でプルプルしちゃうし・・・。
でも3~4冊、切断したらもう慣れちゃって続けて何冊も裁断しちゃいました。

週刊アスキーのような雑誌であれば、ホッチキスを外せば一度に裁断できちゃうので、雑誌なんかを電子書籍化したい!なんて人には、向いています。
カッティングシートを引いて、ペン立てに立ててあるローラーカッターを持ちだしてくれば準備完了。
この手軽さもグッド。

あとはドキュメントスキャナが3万5000円ぐらいで売ってるので、トータルでも4万円ぐらいで本格的な自炊セットが揃えちゃうのも魅力。
でも、好きなマンガや電子書籍化したい本がたくさんある人は、やはり本格的な裁断機が1つあったほうがいいかな。と思います。
書籍の裁断 おすすめは?も参考にしてください。

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