iPhoneのバックアップと復元

iPhoneに何らかのトラブルがあったときは、iPhoneを工場出荷状態に戻すと治ることがあります。

最終更新日:2023-10-31 19:53

iPhoneのバックアップは、新しくiPhoneを買い換えたときや、パスコードを忘れたり起動しなくなったときに初期化などをする必要性が出たときの復元作業に必要になってきます。
iPhoneのバックアップは、WindowsやMacなどのパソコンに保存する方法と、iCloudと呼ばれるネット上のスペースに保存する方法の2つがあります。
どちらもとても簡単なので、このページでは2つのやり方を詳しく紹介します。
後半はバックアップからの復元方法なども紹介します。

目次

iPhoneのバックアップの種類

iPhoneのバックアップには、
①ネット上の「iCloud(アイクラウド)」というサービスにデータを保管する
②パソコンを使ってパソコン内にデータを保管する
の2つの方法があります。
基本的にはiCloud(ネット上)がお勧めなのですが、それぞれメリットとデメリットがあります。

iCloudへのバックアップのメリット/デメリット

iCloudへのバックアップのメリットとデメリットは以下。

自動でバックアップ

標準でオンになっているので、Wi-Fiに接続して充電中に自動で行われます。
大抵バックアップは、「後でやろう」「いつかやろう」と思いつつやらなかったりするので、自動でバックアップはとても便利です。

ほとんどのデータをバックアップできる

iCloudには暗号化されて保存されるので、メッセージやパスワードなどほぼすべてが復元される点です。
ただし、LINEやドラクエウォークなどは各アプリでバックアップする必要があります。

容量制限がある

デメリットは無料で使用できる容量は5GBしかないので、写真や動画などが大量にある場合、有料プランに加入しないとバックアップが出来ない点。
この場合は50GBの有料プラン(月々130円)か、パソコンにバックアップするか、そもそもバックアップを利用しないという選択になります。

PCへのバックアップのメリット/デメリット

パソコンが必要

パソコンへバックアップするための条件は、パソコンが必要な点です。
最近はパソコンを持っていない人も増えてきたので、このバックアップ方法が使えない人も増えてきました。

容量に制限なし

iPhone内の写真や動画が大量にあっても、パソコンの容量がある限りすべてバックアップできる点がメリットです。
iTunesのバックアップ先を変更するには

パスワードを忘れないようにしておく

iCloudのようにすべてのデータをバックアップするには、パスワードが必要なのですが、このパスワードを忘れてしまうと復元が出来なくなる点です。
iPhoneのiTunesバックアップのパスワードを忘れたときの解決策

iPhoneのバックアップのやり方

では早速バックアップのやり方を紹介します。

iCloudへバックアップの仕方

バックアップはWi-Fiを使わなくても出来ますが、1回のバックアップに数GBが必要になるので、なるべくWi-Fiで行ってください。

iCloudへのバックアップをオンにする

設定を開いたら、一番上の自分の名前の部分をタップします。

「iCloud」をタップします。

iCloudの詳細が表示されます。下にスクロールします。

「iCloudバックアップ」の部分をタップします。

「iCloudバックアップ」がオン(緑色)になっていることを確認してください。灰色の場合はタップしてオンにしてください。

Wi-Fiを使う場合は、「モバイル通信経由でバックアップ」をオフにしておいてください。

バックアップ開始!

「今すぐバックアップを作成」をタップすると、バックアップが開始されます。

バックアップが開始され、残り時間や進行状況が表示されるので、このまましばらく待ちます。

Wi-Fiの速度と容量によりますが、バックアップは5分ぐらいで終了します。
終了すると「最後に作成されたバックアップ」に作成時間が表示されます。

自動でバックアップ

Wi-Fiに接続している状態で充電をすると、いちいち上の手順を踏まなくても、「iCloudバックアップ」がオンになっていれば自動でバックアップされます。

コンビニなどの無料Wi-Fiを使う

自宅にWi-Fiがない場合は、コンビニなどのWi-Fiを利用してバックアップすることもできます。
docomo Wi-Fiのパスワードの調べ方と接続方法

例えばファミリーマートに行いくと・・・

docomoユーザーの場合は、「0001docomo」というアクセスポイントに無料で接続することができます。

画面左上にこのマークが表示されていれば、Wi-Fiに接続しています。
もちろん、自宅のWi-FiでもOKです。

PCへのバックアップの仕方

iPhoneのバックアップは上の設定をすれば、自動的にパソコンに繋いだときにバックしてくれるんですけれど、確実にパソコン上にバックアップしたい(もしくは手動で)場合は、以下のようにします。

Windowsの場合

WindowsでiPhoneのバックアップをする場合は、iTunesというソフトが必要です。あらかじめインストールしておいてください。

iPhoneとWindowsをUSBケーブルで繋ぎます。

iTunesを立ち上げるとiTunesの左上にiPhoneのアイコンが表示されます。

もし、このようなアイコンが表示されないか、グレーでクリックできない場合は、

iPhoneのロックを解除し、「このコンピュータを信頼しますか」の表示のときにロック解除用のパスコードを入力します。

それでも表示されない場合は、iTunesやエクスプローラーでiPhoneが認識されない場合の対処法に進んでください。

iTunesの左側の「設定」が「概要」であることを確認します。

今度はiTunesの右側の「バックアップ」野項目にある、「自動的にバックアップ」の「このコンピュータ」にチェックを入れます。

「ローカルバックアップを暗号化」にチェックを入れます。

暗号化とは?

「ローカルバックアップを暗号化」にチェックを入れると、ヘルスケアやiPhoneに保存したパスワード、メッセージなどまで保存できます。是非、チェックをつけてください。
ただし、パスワードを忘れると復元できなくなります。
パスワードは簡単なものでもOKです。

続いて右側にある「手動でバックアップ/復元」にある「今すぐバックアップ」をクリックします。

「ローカルバックアップを暗号化」にチェックがついていると、ここでパスワードの設定画面になります。
2回同じパスワードを入力し、「パスワードを設定」をクリックします。

iPhone/iPad側での手続き

バックアップのボタンをクリックしたら、iPhoneのロックを解除すると、パスコード入力画面が表示されます。
iPhoneのロック解除用のパスコードを入力します。

すると今度は「このコンピュータを信頼しますか?」という表示になります。
再びパスコードを(めんどくさい!)入力します。

バックアップが開始されます。

しばらくするとバックアップ完了までの残り時間が表示されますが、当てになりません。(笑)
iPhoneのデータにもよりますが、だいたい15分から20分ぐらいかかるのでそのまま待ちます。

バックアップが完了すると、「最新のバックアップ」に「このコンピュータ:今日◯:◯」というように時間が表示されます。
これでWindowsへのバックアップは完了しました。

Macへのバックアップ

MacではiTunesは使いません。「Finder(ファインダー)」というWindowsで言うエクスプローラーのようなソフトを使います。
Finderを起動させます。

iPhoneとMacをUSBケーブルで接続します。

すると、左側の「場所」にiPhoneの名称が表示されるのでクリック。
表示されない場合はしばらく待ってください。

iPhoneを信頼するか聞いてくるので、「信頼」をクリック。

iPhone側でも許可

iPhoneのロックを解除すると、パスコード入力画面が表示されるので、パスコードを入力します。

Mac側で続きを行う

接続したiPhoneの概要が表示されます。

中央部に「バックアップ」という項目がるので、
①「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」にチェックを入れ、
②「ローカルのバックアップを暗号化」にチェックを入れます。
③「今すぐバックアップ」をクリックします。

はじめてバックアップする場合は、このようにパスワード設定画面が表示されます。
絶対に忘れないパスワードにしてください。暗号化に使うだけなので、簡単なものでもOKです。

iPhoneのロックを解除します。
すると、このような画面が表示されるのでiPhoneのパスコードを入力します。

バックアップが開始されました。しばらく待ちます。

このように最新のiPhoneでは、バックアップ時にiPhone側でパスコードを入力しないとバックアップできなくなってしまいました。
このような表示が出た場合は、バックアップ開始時にiPhone側のロックを解除して、パスコードを入力してください。

バックアップが終了すると、バックアップの時刻が「このMacへの前回のバックアップ」に表示されます。

警告が出た場合

初めてパソコンにつないでバックアップをする場合、アプリがiTunesに登録されていないので、「iPhoneにiTunesライブラリに入っていないAppが見つかりました。iPhoneからこれらのAppのバックアップを作成しますか?」という表示がでます。
この場合、「Appのバックアップを作成」をクリックします。

また、「iPhoneの中にiTunesライブラリに入っていない項目が見つかりました。iPhoneからiTunesライブラリに転送しますか?」という表示が出る場合があります。
この場合も「購入した項目を転送」をクリックします。

「このコンピュータの自動ダウンロードをオンにしますか?」は、動画や音楽などをiPhoneで購入した場合にパソコンにも自動でダウンロードするか、です。

ダウンロードする項目が選択できるので、チェックを入れてOKをクリックします。

なお、バックアップは時間がかかるので、途中でキャンセルすることも出来ます。
同期やバックアップ中は、左のような画面になるので■色の部分を指で左から右へなぞると、途中でキャンセルすることが出来ます。

保存先は?

Windows StoreのiTunesの場合

C:\Users\[ユーザー名]\Apple\MobileSync\Backup

Windows デスクトップ版の場合

¥ユーザー¥[ユーザー名]¥AppData¥Roaming¥Apple Computer¥MobileSync¥Backup¥

Macの場合

~/Library/Application Support/MobileSync/Backup/

古いMacの場合

~/ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup/

となっています。

バックアップから復元する

iCloudからの復元

未設定のiPhoneの電源を入れると、このような核国の言語で「こんにちは」と表示されるので、上にスワイプします。

「日本語」をタップ。

一番上の「日本」をタップします。

現在使っているiPhoneが手元にあれば、並べてデータを移行できる「クイックスタート」が利用できます。
今回はiCloudからの復元なので、「手動で設定」をタップします。

「文字入力および音声入力の言語」。
ここはこのままでかまいません。「続ける」をタップ。

Wi-Fiに接続します。
なお、iCloudからの復元はWi-Fiに接続しないと使えないので注意。

パソコンなどにバックアップをとった場合は、②の「MacまたはPCへ接続」の方を選択してください。こちらはWi-Fiがなくても復元できます。

接続するWi-Fiのパスワードを入力し、右上の「接続」をタップします。

iPhoneのアクティベートが始まります。
アクティベートとは、認証という感じ。

「データとプライバシー」に関する注意事項が表示されます。ここは「続ける」で。

生体認証

生体認証の登録を行います。Face IDもしくは指紋認証を登録します。
「続ける」をタップ。

顔を登録します。

指示に従って顔を登録します。
なお、同じことをもう一度繰り返して2回登録します。

iPhone SEの場合は指紋を登録します。

生体認証の登録が終わりました。「続ける」をタップ。

パスコードの設定

続いてiPhoneのロックを解除するためのパスコードを設定します。デフォルトでは6桁ですが、4桁にすることも出来ます。その場合は、「パスコードオプション」をタップします。

「4桁の数字コード」をタップすると、4つの数字でパスコードを作成できます。私のように、誰かに使われる心配がほとんどない人は、このような4桁のパスコードにして複雑な組み合わせにすれば、十分かもしれません。

パスコードを作成します。

バックアップからの復元

さて、ここからバックアップからの復元になります。
「iCloudバックアップから復元」
「MacまたはPCから復元」
「iPhoneから直接転送する」
「Androidからデータを移行」
「Appとデータを転送しない」
の5つから選択可能です。最後の「Appとデータを転送しない」は、新規にiPhoneを使いたい場合に選択してください。

今回は「iCloudから復元」を選択します。

iCloudにサインインします。
登録しているメールアドレスを入力します。

iCloudのパスワードを入力します。
Apple IDのパスワードを忘れた場合の復元

2段階認証を設定している人は、他のiPhoneかSMSに届く確認コードを入力してください。

利用規約が表示されるので、「同意する」をタップします。

Apple IDの設定が開始されます。このまましばらく待ちます。

バックアップの選択

iCloudに保存されているデータの一覧が表示されます。
最も新しいデータが最新のものになります。
複数のiPhoneやiPadを持っている場合、どれがどれだかわからなくなるかもしれません。一応バックアップした日付の下に、そのデバイスの名前が表示されているので、日付と名前を参考に選択してください。

「すべてのバックアップを表示」をタップすると、それ以外の古いデータも表示されます。

バックアップのデータを選択すると、「バックアップから設定」が表示されます。「続ける」をタップ。

「iPhoneを常に最新の状態に」は、iOSのアップデートが自動で行われます。が、後で手動に変更も出来るので、「続ける」をタップ。

Apple Payの復元

Apple Payに登録したクレジットカードやSuicaなどのデータは、常にiCloudに保存されます。そのためiPhoneをバックアップすると自動でiCloudにも保存されます。「続ける」をタップして復元します。
(あとから復元させる場合は、「あとでWalletでセットアップ」をタップします。)

Apple Payに登録出来るクレジットカードか、Suica、PASMOから復元したいものを選択します。
なお、複数のカードを登録している場合、1枚ずつ復元していきます。

今回はSuicaから復元してみました。

SuicaもApple Watch用のカードも含め2枚登録しているので、二つにチェックが付いていることを確認し、「続ける」をタップ。

Suicaを複数登録している場合も、1枚1枚復元していきます。
1枚目が表示されるので、名前と金額を確認し、右上の「次へ」をタップ。

カードを追加中と表示されるので、このまましばらく待ちます。

しばらく待っているとカードが追加されました。

1枚目のSuicaは自動的にエクスプレスカードとして登録されます。
エクスプレスカードとは、Face IDやパスコードを入力しなくてもかざすだけで使える機能です。

「次へ」をタップ。

もう一枚のSuicaをApple Watchに転送するには、ここで「続ける」をタップします。
あとで得設定する場合は、「あとで設定」をタップします。

同じようにしてクレジットカードや残りのSuica、PASMOなども復元させます。
時間がかかる場合は、あとでWalletアプリからも復元することができます。

続いてSiriの設定です。
「オーディオ録音を共有」をタップします。

App解析はアプリ開発者とデータを共有してもいいのですが、共有したくないという場合は、「共有しない」で。
私は「Appデベロッパと共有」をタップしています。

ようやくiCloudから復元が始まりました。
復元は時間がかかるので、充電したままこのまま放置しておいてください。

復元が完了

しばらくしてiPhoneを起動してみると、このようにパスコード入力画面になっていれば、復元の完了です。
先ほど設定したパスコードを入力します。

バックアップした時と同じ配置でアプリのアイコンが表示されています。
なお、この段階ではまだアプリがすべてインストールし終わっていません。

このようにアプリがインストールされていくので、終了するまで待っていてください。

これでiCloudからの復元が完了しました。
なお、LINEとドコモ、au、ソフトバンクのキャリアメールに関しては、それぞれきちんとした手順で復元させる必要があります。以下を参考にしてください。

PCからの復元

iTunesを利用してパソコンをバックアップした場合の復元方法は以下の通りにします。

パソコンとiPhoneをUSBケーブルでつなぎ、iTunesを立ち上げます。

iTunesの左上のiPhoneのアイコンをクリックします。

iTunesの左上の「概要」をクリックします。

iTunesの右側を下にスクロールしていくと、「バックアップ」という項目があるので、「このコンピュータ」にチェックを入れ、「バックアップを復元」をクリックします。

このような警告が表示された場合、まだ「iPhoneを探す」がオフになっていません。
「iPhoneを探す」をオフにしておいてください。
設定 → iCloud → iPhoneを探す → オフ

バックアップからの復元が表示されるので、「復元」をクリックします。
なお、複数のiPhoneやiPadを同じiTunesでバックアップをとっている場合は・・・

同じパソコンに保存されているバックアップデータを選択出来るので、選択してください。
同じ名前がたくさんあってよくわからない。という場合は、「前回のバックアップ」の右横にバックアップした日付と時刻が表示されるので、それを参考にしてください。

バックアップするときに暗号化をしていた場合は、そのときに設定したパスワードを入力します。
※暗号化していない場合は、何も出ません

復元が開始されます。
復元時間は、数十分から1時間程度です。

復元が完了すると、このような表示が現れます(10秒ぐらいで消えてしまいます)。

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