電子書籍のファイル形式の一つ、ePub。このePub形式で自分で電子書籍を自作してみましょう。全てフリーのソフトで作成できます。自炊したPDFからも作成可能です。
最終更新日:2012-12-03 23:04
ePub(イーパブ)とは、Electronic PUBlicationの略で、電子書籍の規格の1つです。
この形式で保存されたファイルは、楽天のkobo glo やSONY Reader
自炊(紙の本をスキャナーで取り込み、PDFや画像で保存すること)したPDFを表示させると、小さな画面(スマホや電子ブックリーダーなど)では文字が潰れてしまって読みにくいんです。
ePUB形式だと、フォントの大きさも変更できる(設定によりフォントを変えられない場合有り)し、何よりフォントがくっきりして綺麗。
今回は自分でオリジナルの電子書籍を作りたい(小説など)人や、自炊して電子書籍を作りたい人に、フリー(無料)のソフトを使ったePubファイルの作成方法を紹介します。
この方法を使えば、ブログやWordで作成した文章などを電子書籍化することができます。
Wordでもいいですが、メモ帳でも可能です。
メモ帳はスタートボタンの「すべてのプログラム」の中の「アクセサリ」の中に入っています。
こうすると後で紹介するChainLPというソフトで読み込んだ時に、自動的に目次として認識してくれるんです。
「第○章」以外に「第○節」でも目次としてピックアップしてくれるっぽい。
なお、私は小説を書くことはまったく興味が無いので、私の場合は自炊して紙の本をPDFファイルに保存し、そこからe.Typist NEO v.14.0 for Windows
OCRソフトはドキュメントスキャナに無料で付属してくるので、ドキュメントスキャナがある人は付属のOCRソフトを使うといいでしょう。
ただ、私も色々なOCRソフトを使ってきましたがe.Typistが一番認識率がいいような気がします。
最新のe.Typistは画像やPDFから文字を認識し、ePbu形式で保存できる機能もついています。
なので、このソフトさえあれば紙の本をePub形式で保存するまで1つのソフトで行うことができます。
ただ、e.Typistで作成したePUBは、横書き表示しか出来ないらしく、私はちょっと手間はかかりますが、今回紹介する方法でePUBにしています。
自炊したPDFなどから文字を認識させた場合は、テキストファイルとして保存できるので、OCRソフトを使っている場合はテキストファイルとして保存してください。
文字コードはUTF-8でもなんでもいいです。
実はePUBを作成できるソフトは、あんまりありません。が、フリーで公開されているChainLPというメチャメチャありがたいソフトが、テキストファイルや画像ファイル、そしてPDFをePUBに変換できる機能があるんです。
このChainLPは、以前Kobo touchやNexus 7で綺麗に表示させる方法で紹介したソフト。
単にePUBを作成出来るだけでなく、色が薄い画像やPDFなどを濃くしてくれたり、自動で余白を認識して削除してくれたりと、びっくりするぐらい高機能な自作電子書籍向きなアプリ。
今回はこのChainLPを使ってテキストファイルをePUB経作成する方法を紹介します。
するとファイルを開くウインドウが表示されるので、先ほどメモ帳で作成したテキストファイルを開いてやります。
※ 作成したテキストファイルをChainLPの中央あたりにドラッグアンドドロップしても開くことができます。
デフォルトの設定では縦書きの明朝体となっています。
Kobo touchやSONY Readerなどは、600x750に。Kobo gloやKindle PaperWhiteなどの高解像度の端末は758x1024で設定しておきます。
ChainLPでは代表的なタブレットなどを選択できるようになっていますが、Kobo touchなどはまだ登録されていないみたいなので、自分で登録するといちいち入力する手間が省けて楽です。
ちなみに解像度を適切にしておかないと、電子ブックリーダーで表示させた時によけいな余白ができたり、文字がはみ出したりするので注意してください。
ChainLPの左側中央にある「ページ補正」の部分にチェックを入れ、「小説のみ」を選択してください。
これで余白を文字のみの電子書籍に合わせたものにしてくれます。
作成するePUBのファイル名も、読み込んだテキストファイルのファイル名から自動で入力されます。
もし、作成するファイル名を変更したい場合は、この「タイトル」という部分を変更します。
その下の「目次設定」は、各ページを目次として設定する場合。
先程も書きましたが、
第三章
のように「第○章」という行を用意しておくと、ChainLPでは自動的に目次としてピックアップしてくれますが、手動で目次を作成したい場合は、この「目次設定」のボタンをクリックします。
また、タブレットや電子ブックリーダーにサムネイル表示する時の画像なども設定できるようです。
テキストファイルからePubに変換するのに、だいたい数十秒もあれば変換されファイルとして出力されます。
Zip32j.dllにアクセス出来ないため、ePub形式で保存できません。
以下のサイトから入手してください。
のようなエラーが表示される場合は、以下のようにDLLファイルをダウンロードしてください。
注意:Windows8とWindows7やXPではやり方が違います。
まずはcaldixというサイトへ行き、「version 1.XX」のリンクをクリックし、ファイルをダウンロードします。
「全自動(入門者向け)」にチェックが入っていることを確認し、「開始」というボタンをクリックします。
Windows8の場合は、これで完了です。
zip3j037.lzh
zip232dN.zip
という二つのリンクをクリックし、ファイルをダウンロードします。
もう片方のファイルも展開し、その中から「zip32.dll」を探します。
これでePub形式で出力するときにエラがー表示されないようになったと思います。
残念ながらChainLPで作成したePub形式の電子書籍は、端末側でフォントを変更したりフォントの大きさを変更できないっぽい。
ChainLPのデフォルトのフォントだと、文字が薄くて見にくいのでフォントを埋め込んだePubやPDFを作成する方法を紹介します。
その下の「テキストフォント」をクリックすると、フォントの種類を変更できます。
フォントはパソコンで使用出来るフォント全てが使用できます。
電子ブックリーダー側に無いフォントもフォントごと埋め込んでePubを作成するようで、色々なフォントを指定することができます。
ただし、その分ファイルサイズが大きくなります(だいたい40~50MBぐらいになる)。
もしファイルサイズが大きくなるのが嫌なのであれば、PDFで出力すると使用されているフォントのみが埋め込まれたファイルになるので、ePUBよりPDFで出力して方がいいかも。(後述)
続いてその隣にある「サイズ」を変更することによってフォントのサイズを指定できます。
おすすめはフォントが「メイリオフォント」でサイズは「16」ぐらい。
PDFで出力すると、フォントを埋め込んでもファイルサイズは1.5MB程度に抑えられるので、非常にありがたいです。
しかもPDFにしても目次設定は有効なので、ありがたづくし。
タブレットのいい点はアプリによってはこの写真のように、背景を黒く、フォントを白くできること。
こうすると読んでて目が疲れにくいです。
さらに!
タブレットの場合、いちいちePubに変換しなくてもテキストファイルを電子書籍のように表示させることも可能です。
(そのかわり目次などは設定できませんが)
電子書籍元年になりそうな2012年でしたが、残念ながら端末は揃いつつあるのに、肝心な電子書籍があまりありません。
なので自分で電子書籍を作ったり、お気に入りのブログやサイトをテキストファイルにして電子書籍化したり、そして私のように既存の紙の書籍をスキャナーで取り込んで電子書籍にすることも可能です。
Nexus 7やiPadなどタブレットは、画面が大きく高解像度なのでスキャナで取り込んだ画像をPDFで表示させても読むことができますが、KoboやReader、Kindleなどの電子ペーパーと呼ばれる端末は、解像度が低いのでそのままだと文字が小さく読みにくいです。
そこで今回のような方法でePubやPDFを作りなおせば、びっくりするぐらい綺麗なフォントで表示させることが可能です。
私も一時、電子書籍を読むときはKobo touchではなく、nexus 7で読んでいたのですが、重くてバッテリーも割と消費するので、最近では今回紹介した方法でePubを作成してKobo touchで読むようにしています。
小説家やライトノベル作家を目指そうとしている人は、この方法でePubやPDFを作成してみんなに公開するのもいいかもしれません。
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